季節のかたみ(幸田 文)

17-06-01 季節のかたみ

久々に幸田 文さんの本が読みたくなって図書館から借りた一冊。

一時期、幸田 文さんの本やその娘さんの青木 玉さんの本を立て続けに読んでいたことがあります。

美しい日本語のような文章なイメージが残っていたのですが、違いました。

もっと親しみやすい、身近な感じの文章でした。

時代の移り変わりといったことについても書かれています。

野菜や魚が旬にかかわりなく並んでいて混乱するとか。

中でも印象に残ったのは、「斜に腰かける」

知り合いの方が自宅だったところを庭園として開放していて、そこを訪れます。

以前は自然豊かだった周りの景色も住宅地の開発で様変わりしています。

それを見て「変ったわね」という幸田さんに答えるように友人の方は「変らないものもあるわよ」と。

「あなたがそこにそうやって、はすに腰かけているでしょ。その掛けかた、昔の形よ。」

今ははすに掛ける人も少ないと。

縁側にも正面を向いて腰かける。

時代の移り変わりを嘆くではなく、さらりと書いています。

もし、私が縁側に坐るとしたら正面を向いて坐ってしまうでしょう。

はすにかけるは出来ないだろうな。

本の表紙をめくった最初のページに幸田 文さんの写真が載せられています。

四角い石の上の、着物を来た幸田さんが、はすに腰かけています。

それが、なんともたおやかで素敵な一冊でした。

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